すべてマル!<前編>

きっかけは一杯の

「つゆひかり」の温かさ

 

 

 

 

その前に

話を

すこし前に戻します

 

 

 

 

 

ただいま

「まごはやさしい朝のお茶漬け膳」

「大納言ぜんざい」に添えている

静岡県の御前崎特産の深蒸し茶

「つゆひかり」

 

 

 

 

京都が浅蒸し茶の主流だからでしょうか

 

関西で深蒸し茶をいただける機会は少なく

 

 

 

深蒸し茶を美味しく淹れられる

 

「帯網急須」

 

という急須さえ

友人から教えてもらうまで知らず

 

 

 

・・・・・

なんという無知な私 

 

 

 

 

それを

察してくれた勘のいい友人

 

 

 

さすがさすが

お茶アドバイザーの資格を持つだけに

 

レクチャーしてくれたおかげで

格段に美味しく淹れられるように

 

 

 

感謝!感謝!

39いちご近藤真彦

(サンキューベリーマッチね)

 

 

 

 

 

 

先日は

 

40代後半の男性がご注文された

大納言ぜんざいをお席に運んだ際

 

 

「あ、おいしそうなお茶がきた♪」

 

少女のような笑顔でひとことポツリ

 

 

 

 

・・・・・

うれしかったですね

 

 

 

 

 

水色の鮮やかな「つゆひかり」

だからこその

お客さまの反応や引力なのでしょう

 

 

 

丁寧に淹れた一杯のお茶が

なにかしら人に与える

見えない活力というか魔法を

日々感じています

 

 

 

 

 

 

 

では

 

本題に入ります

 

 

 

 

昨日

お店にご来店下さったお客さまが

心なしか浮かない顔にお見受けして

 

 

 

ちょうど

「つゆひかり」を淹れていたときで

 

しかしそこは

気を使わせてはいけないと

 

 

 

ついでに淹れたのでどうぞ~

 

 

なんて

 

心無い言い方をしながら

お帰りを強引に引きとめて出した一杯

 

 

 

でも

思いのほか喜んでいただいて

 

明るい笑顔で

お店を後にして帰られました

 

 

 

 

ああ

よかったよかった

 

 

 

 

そんなことをすっかり忘れていた今日

 

 

 

そのお客さまが

「昨日うれしかったから」と

再びお店に来て下さって

 

 

 

・・・・・👻

 

 

 

 

 

もったいない👻オバケ店

にそろそろ

改名しようかと本気で思います

 

 

ありがたいことです 

 

 

 

 

そのままなんとなく

あれこれ四方山話で笑い合うことに

 

 

 

 

なにより

 

お客さまの浮かない顔だった理由を

帰り際に聞かせていただいて

 

安堵と笑顔の理由を教えていただいて

 

 

 

ああ

お茶のかみさまが昨日

お客さまの心を緑にしてくれたんだなぁ

 

 

自分の方こそ

心を緑にしてもらったようで

うれしい一日でした

 

 

 

 

 

 

こんな気持ちを

ずいぶん昔

 

 

 

あるお客さまから与えてもらったこと

なんだか

思い出しています

 

 

 

 

 

開業して2年目くらいの頃でしょうか

 

 

ある日

奥のお席でケーキセットを召し上がっていた

二人連れのお客さま

 

 

 

なにやら男性の方が

 

こちらに向かって

遠くから

こんなポーズをしているのです

 

 

最初

 

向かいのお連れさまとの

話の流れ上のリアクションかと

 

 

 

 

それでも

 

長い間ずっと

そのままでおられるので気になり

 

 

お水を入れに行くのを装って

お席に近づいて行きました

 

 

 

 

すると

 

 

「マル!」

「マル!」

 

 

 

ポーズしたまま私に連呼するのです

 

 

 

? ? ?

 

さっぱりワケが分からず

返答に窮して真横でポカンと居たら

 

 

 

「驚きました!マルです!すべてマルです」

 

 

そのあと

 

今まで食べたことがない

美味しいケーキだと感動してくれての

マル!だと延々と説明して下さったのでした

 

 

 

 

当時

 

新しい土地での商いに葛藤と疲労を重ね

心無い言葉を受けたりして

人間不信になっていた混沌とした日々で

 

 

 

お客様が連呼する

「すべてマル!」

にどれほどか救われて

 

 

重い壁が

崩れていく音が聞こえるようでした

 

 

 

そして

お帰りの際に

気持ちばかりのお礼を託したくて

 

ある一冊の本を差し上げました

 

福に憑かれた男 喜多川泰

 

喜多川泰さんの本に

いたく感動したお客さま

 

 

この一冊を縁に本を読むようになり

その後

お客さまの人生が驚くほど劇的に変わることに

 

 

 

なにより

今では私たちが

ご自宅に遊びに行くような仲良しに

 

 

 

もう

お客さまと呼ぶには変な関係

 

 

なにが御縁になって

功を奏するか人生分かりません

 

 

 

 

「すべてマル!」

 

 

 

迷ったときの心の置き所に

 

 

転んだときの置き薬であり

エール言葉に今もなっています

 

 

 

 

 

さらに

すべてマル!の後編

 

つづく