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ふたり荒野を行く

 

カフェインレスのホットがある

お店は昔よりも増えましたが

 

カフェインレスアイスコーヒーは

まだ常備する所は今も少なくて

 

あたりまえですが穀琲のように

ノンカフェインコーヒーはない

 

本来 カフェインがあることが

コーヒー豆の特質なのに むしろ

カフェインを抜く方が不自然で

 

コーヒーをコーヒーたらしめる

種の起源やベストな楽しみ方を

歪めてまでと今も思う所がある

 

不自然なことをするため薬剤で

カフェインを除去したり負荷を

かけたりと安心からは遠ざかる

 

飲食の製造に携わっているので

自分が口にしたくないものは

使わないし作らないし売らない

 

わたしたちにとっては普通で

ごく自然な定めが根っこにある

 

穀琲を立ち上げた当初に比べて

コーヒー豆を使っていないことを

異分子として見られることもなく

 

興味や関心を持っていただけて

穀琲を選んで下さる方も増えて

 

あってよかったという直接の声と

穀琲を選んで下さる理由を聞くと

使命感にも似たスイッチが入る

 

ゼロからはじめて実務を重ねて

実体験してきたから分かること

 

カフェインの摂り過ぎによる

気付かない弊害を含めていつか

追記しようと思っています

 

 

わたしたちが作るアイス穀琲は

これだという臨界点を定めるまで

紆余曲折の時間を費やしてきた

 

通常の焙煎とはもちろん違うし

豆・麦・米の配合もまったく違う

 

美味しいと思える味を辿る道は

とても孤独で地道な積み重ねで

 

店主と私の互いの味覚と意見を

何度もすりあわせて話し合った

 

そして誕生したホップブレンド

定番の「山梨 甲斐アイス穀琲」

 

ビールの味を左右するホップは

程よいクールな苦みが旨さの核

それを穀琲にプラスしている

 

野性味のある清涼感とパンチ力

牛乳とも互角に調和するので

カフェオレのベースにもしている

 

どこにもない道を歩いてきて

力をくれたり励ましてくれたのは

その都度に出会った言葉でした

 

お客さまからの言葉は数知れず

それは胸の宝箱に置き割愛して

 

2014年に青色LEDの開発で

ノーベル物理学賞を受賞された

故 赤崎勇さんの言葉を

 

 

黒薬豆に出会って 穀琲という

商品名を付ける前の開発途上で

 

毎日これでどう?いやこれか?

と試作に大没頭していたころ

 

私たちが描いた頭の中の地図を

信じるだけが確証の孤独な作業で

 

コーヒーを出さない喫茶をする

当時はそれで店が続けられるのか

不安がなかったかというと‥

 

それが本当になかっ た!

店主も私も  ふたりとも

 

これはお客さまにとって絶対いい

確信があったから迷いはなかった

馬鹿なのか 向こう見ずなのか

 

いいと思ったんだ 行こう

それをただ突き進んでいた当時

 

仕事をしながら流し聞いていた

ラジオから赤崎さんのインタビュー

青色LEDの開発秘話だった

 

できるかどうかも分からなかった

開発途中の心情をこう言われた

 

「われ一人荒野を行く」という

気持ちで毎日いましたね と

 

その言葉を店主とその場で

聞いていて互いに顔を見合わせた

 

「ふたり荒野を行くが如くやな」

 

振り返れば その言葉に

力をいただいたのがはじまり

笑って 確信し合った出来事だ

 

 

以前 お客さまから頂いた御守

遠江の国の一の宮でもある

事任(ことのまま)八幡宮

 

氏神さまや播磨の一の宮さま

先祖のルーツである大山祇さま

と一緒に持たせてもらっている

 

コロナ禍で行くに行けなかった

ことだまの社 事任さまに今年

やっと御礼参りに行けるかなと

 

先日の早朝 ふと考えながら

下さったお客さまを思いながら

御守を取り出して見ていたら

 

早朝にもかかわらず同じ時間に

着メールのお知らせ音が聞こえて

 

こんな早朝に? と驚いて見たら

御守を下さったお客さまからの

ご注文メールで本当に驚きました

 

お客さまには改めてお手紙で

驚きを綴ってお伝えしましたが

こんなことってあるんですね

 

事任さまは言の葉の神様なので

現代のツールのメールを操って

サプライズを仕掛けてくれた?

 

Welcomeといわれているようで

「遠江穀琲」が誕生するような

出会いがあるかもしれません

 

社会人になって言の葉の仕事に

就いて生業を立てさせてくれた

前半の私の人生の御礼もかねて

行く機会が今なのかもしれない

 

 

いつになく 長文すみません

 

先日の夕立ちで現れた謎雲で

心ばかりの申し訳ない一枚を

 

言の葉を軽々超えていくのは

超自然が織りなす現象だけ

 

出たーーー

雲のオバケ

 

 

こちらは

事任さまを想像して描いた絵