温泉処の玄関先に植えられた
南天の赤に思わず歩が止まる
裏鬼門と呼ばれる南西に
置くとよいといわれる南天
江戸時代には家々の玄関先に
魔除けで植えていたそうなので
湯郷温泉は古くからの湯治場
その名残が今もここに灯っている
なごり雪 なごり赤
ふうっと江戸風情が浮かぶ
難を転じるといわれる南天に
心を託したくなる年の始まりで
いま辛く寒い思いをしている方が
お正月や元旦を祝える気持ちが
いつの日か来ることを
願いは徒然ですが
最近 いろいろ思ったことを
徒然なるままに綴ります
霜が溶けて
にんにくの葉に雫の子
水じゃない物体が水になる
間違いでもない事実
事実は小説より奇なり
と申しますが 商いもそうで
先日 お車に犬を乗せた
お客さま数名が来られました
注文を伺いに席に行くと
犬と一緒に居られる席はどこ？と
犬と居られるテラスはどこ？と
これまでの商いの経験から
すぐにピンときた
間違って来られたことを
元々 昔からペット同伴での
飲食はしていないとお伝えして
するとホームページに
ワンちゃんと居られるテラスが
あると見て来たといわれたので
当店のHPには書いていないので
違うお店のホームページを
見られたのだと察し伝えました
場所を間違えるなら あるある
ホームページを間違えるなんて
こればかりは防ぎようがない
「違うお店だと思いますが
‥よろしいのでしょうか？」
と お伝えしたらそのまま
その日ご利用して下さいました
間違って来られたお店と
行くはずの間違えられたお店
それを思うと複雑な気持ちの
ありがとうございます で
次はない御縁なんだろう と
すると 翌日
間違えて来られた一人の方が
親しい間柄であろうお連れ様と
再びお越しになられました
黙々と作業している店主
その視線の先は何でしょう
さて
間違えて昨日来られた方だと
すぐに気付きました
でも 当店が初めてのご友人様を
連れてお越し下さったご様子
何もいわずに 心の中だけで
（再びのご来店
誠にありがとうございます）
胸の内でリフレインして
何も触れずにお見送りした
それだけで十分なのです
それが商いの妙であり幸せ
間違えたけれど
昨日は楽しんでもらえたんだと
今日も楽しんでいただけたんだと
視線の先は お米のチュイル
て て て てて
というオノマトペのような
手作業での焼成前の仕込み
情報が渦巻くようになった
ここ数年の風潮だと思うけれど
○○のために
という言葉は違和感がある
どこか 空々しくて
人の為にと書いて 偽と書く
誰かのためという思い込みや
美辞麗句から距離を置く
自分を振り返ってみても
間違ってきた先に今がある
淡々と粛々と毎日を
磨きながら おさらいする
その結果が誰かのために
なっていれば幸せの御の字
誰かのためにと
思い込みすぎないでいい
ひょうたんから駒
間違いから駒
商いから駒
青いグラウンドに引かれた
ゴールテープのような雲
商いって
つくづくゴールがない種目
だから なおさら面白い
コースを間違っても
それで変わる事実もあるから
帰り道 あっ！
ヤーレンズのナラハラさんと
同じ名前のパーキング
思わず撮ってしまった
岡山と縁があるのかしら
笑いのツボが同じで親近感
間違いだらけの小ボケの連打
好きだなー