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普通はどこにある?

 

先日から新しく作りはじめた

「お米で作った生ボーロの

黒ごまバター」の主役さん

 

おわらの風を受けて育った

富山県八尾町の黒ごまがここへ

来てくれることになった物語

 

これこそ本当に物が語るお話

御縁の源流をさかのぼります

 

当店の「富山 越中穀琲」で

ブレンドしている玄蕎麦が

そもそもの八尾町との出会い

 

8年前の当時

香味の要である蕎麦を

3つの産地に絞って試作した

 

 

ひたすら焙煎しては飲んで

配合を0.5g単位で試し重ねて

 

福井県産か?富山県産か?

越前か?越中か?の2択に

 

気品さえ感じる重厚な香味で

クラッシックな後口に惹かれ

最終的に私たちが選んだのが

 

富山県の八尾町産の蕎麦で

こうして 越中穀琲が生まれた

 

 

あとあと 知ったことですが

 

富山県の八尾町といえば

蕎麦品評会でも名の知られた

極上蕎麦のブランド産地で

 

本来は外に出さない玄蕎麦を

私たちが製造する穀琲について

お話を聞いていただいたところ

 

使わせていただけることになり

八尾町の玄蕎麦を分けて下さる

生産加工組合さんとの御縁に

 

 

能登地震の時に気になって

ようやく繋がったお電話では

 

八尾町の加工所に被害はなく

皆さまもご無事だったことに

安堵しましたが 思い巡らして

 

多分 おっしゃらないだけで

身近な石川にお知り合いの方が

おられる方もいることでしょう

 

様々な影響は絡み合っている

そうお察しして微力ながら

その電話の場で黒ごまの注文を

お願いさせていただいた

 

その香りと美味しさに驚いた

私たちが受けた感動を添えて

 

脂質は少なくタンパク質が多い

ミネラルたっぷりの黒ごまは

お米とバターの架け橋になる

 

そう直感して生ボーロの新味に

富山県の八尾町産の黒ごまを

100%贅沢に使っています

 

 

こんなに国産黒ごまを贅沢に

使うのは狂気かもしれない

 

でも 美味しいと笑顔になれる

「普通」を大切にしたいから

 

個人店ならではの善の狂気と

そう思っていただければと

 

よろしければお試しください

 

 

初代ロングセラーの塩バターも

岩塩バターにアップデートして

 

完全オリジナル製法の生ボーロ

の「超専門店」化に向けて

少しずつ増やしている最中で

 

生ボーロを好いて下さる方が

宍粟でも増えてきて有難いです

 

ご紹介が遅れましたが

「メープルバター」も新味で

 

カエデ糖にとことん向き合った

こちらも善の狂気あふれる一品

 

 

えー! 私の物語は!?と

メープルバターに叱られる

 

これ以上の長文は申し訳ない

許して メープルさん

 

ごめんなさいの代わりに

時々書いて見せてくる店主の

無添加すぎる謎の一句を

 

昨年の秋に見て見てーと

持ってきたものに書いてたなと

ちょうど思い出したので

 

 

お店ではお客さまから度々

当店の独自感に驚嘆のお声を

いただくことが多いのですが

 

色々尋ねられても店主はほぼ

「‥普通です」

と言葉少なくニコニコしている

 

私たちにとっては本当に

普通のことを当り前に正直に

 

自分たちの心が震えたものや

誇らしく思えるもので大切に作り

 

長期的に見てお客さまの心身が

良くなり活力と潤いになるものを

善意の価格で提供したいと思う

 

素材に寄り添うのではなく

素材と普通に肩を組んでいる

良い品をめざす同志なのです

 

誰かの思う「普通」が

私たちの思う「普通」と

違うかもしれないけれど

 

普通はどこにある?

お店としての問いかけは

一生続いていくことでしょう