コーヒーの夜明け。

黒薬豆という夜行列車に乗って。

Kokufee since 2013

 

日々の製菓業と喫茶営業の同時進行で

コーヒー豆を一切使わない独自の穀物珈琲の

開発にひたすら没頭し試行錯誤の連続でした

 

寝食そっちのけで試作し

当時の営業時の記憶が思い出せないほど

 

黒薬豆の焙煎に向き合うも手探りで

出口が見えない日々が続きました

 

 

そんな頃ある言葉に出会い

光が差して奮い立たせてもらいました

 

トヨタ自動車のクラウンの開発に携わった

中村さんという方の言葉です

 

 

「開発は先の見えない夜行列車。

知恵と度胸で突き進め」

 

 

コーヒーの夜明けを目指す夜行列車に

飛び乗った覚悟を決めました

でも、その覚悟ってなんだろう?

 

覚悟は失敗を消化していく勇気

そして始末をつける責任

 

そう、知恵と度胸しかない

このまま進もう、と

 

 

 

迷いなくコーヒーをやめる。

ふたり荒野を行くが如く。

Starting kokuery 2015

 

 

試作をしていたある営業後の夜

 

ラジオから青色LEDの開発で

ノーベル物理学賞を受賞された

赤崎勇さんのインタビューが流れました

 

できるかどうかも分からなかった青色LED

開発途中の心情をこう言われたのです

 

 

「われ一人荒野を行く、

という気持ちで毎日いましたね」

 

 

その言葉を店主とその場で聞いていて

互いに顔を見合わせました

 

「ふたり荒野を行くが如く、やな」

 

その言葉に力をいただいて

笑って確信し合った出来事でした

 

 

アントシアニンが豊富な極小の黒薬豆

その果皮を損傷しない直火焙煎と独自の穀物

配合で「コーヒーと呼べる美味しさと水色」

にやっと辿り着き、穀琲を商品化

 

長く取り組んでいく決意とともに

商標登録をしました 

 

 

 

 

 

コーヒーのない店に切り替えることに

不思議と迷いは一切ありませんでした

 

 

カフェインレスコーヒー市場が現在のように

活況でなかった当時は理解していただくため

 

 「コーヒーを使っていない飲みもの」と

伝える最初の一歩に毎日奮闘していました

 

 

脱カフェイン化が拡大した時代背景もあり

選んで下さる方が着実に増えてきた今も

 

もっと美味しくできないかと改良しながら

深化を求め続けています

 

 

 

自由の風が吹き抜けていく。

穀琲というオーバーランド。

創業時の赤穂は目の前が海

海上の太陽

 

20世紀初頭のオーストラリアから生まれた

旅のスタイル「オーバーランド」 

 

車に荷を積みシンプルに体身ひとつで

新しい地へ出かけていく

 

面白そうだと思った道に分け入ってみる

 

縛られることなく自由にプロセスを深めて

楽しんでみる

 

 

穀琲の試作に没頭している当時

たまたま読んでいた本から知った言葉で

 

心に新しい旅の風が吹き抜けた瞬間でした

 

 

 

赤穂御崎の朝焼け

 

 

まだゴールさえ見えない穀琲の完成を

目指していること

 

コーヒーのない店として進んでいく道は

オーバーランディングが醸しだす

自由な空気に似ている

 

旅に出る前日のような

夜明け前の明るさのような

 

なんだか分からない高揚感に包まれたことを

今でも懐かしく思い出されてきます

 

 

 

コーヒーのない店を続けて。

オーバーランディングの今。

 

 

コーヒー豆のコーヒーを提供しない

一風変わったお店にもかかわらず

 

多くのお客さまに育てていただいて

続けられていることに感謝しか浮かびません

 

 

卸販売など取り扱いへの問合せが増えてきた

こともあり飲食や喫茶・オフィス・サロン等

接客業の事業者様を対象に穀琲の卸販売及び

OEM(オリジナル製造)をお受けする業務

 

Kokuery partner

(コクワリーパートナー)

をはじめています。  

 

穀琲を開発するに至った背景

Kokufee story


 

 

店主は中学生で菓子職人になると決めた人で

高校を出ると製菓専門学校に進み そのまま

洋菓子の世界に入って修行を重ねてきました

 

開業する前の最後の職場は

兵庫県神戸市にある弓削牧場です

 

生命と自然あふれる現場で生乳やチーズを

使った菓子作りに打ち込んでいましたので

 

開業を決めた時も当前のように

洋菓子店として開店しました

  

 

 

 

お店を開きたいと選んで決めた最初の場所が

海を一望する神社の境内の一角という

類のない御縁でした

 

 

周囲は旅館が並ぶ温泉観光地という

立地だったこともあって

喫茶を併設する形へと急きょ決めました 

 

 

開業当初は松林だった境内の眺め

 

 

洋菓子の製造しか経験がない店主

洋菓子の業界にすら触れていない私

 

喫茶をするということは

飲みものが必要だというそんな単純なことに

気付くのにも疎いふたりでした

 

 

喫茶を併設する洋菓子店を開いたことで

お客さまの反応を肌で感じられただけでなく

 

「なぜ今これを選ばれたのか」

考えるようになりました

 

 

お茶とお菓子を囲んで歓談する

お客さまの楽しそうな笑顔や空気感

 

思い思いに召し上がってくつろぐ姿や

笑顔で過ごされる時間に触れられたのは

思ってもいなかった喫茶の恩恵でした

 

 

そんな日々の中

お世話になっていた農家さんから

見たことのない黒い極小豆をもらいました

 

固くて小さくて煮豆にならない特長に

さてどうしようか と戸惑いました

 

米と一緒に炊いても固く赤飯にもならない

 

そこで フライパンで煎って煮出して

豆茶として飲むようになりました

 

美しい漆黒の水色は香ばしく飽きないのです

 

 

それが何週間か続いたとき

ふと気付いたのです

 

体が楽に動いているし

頭も重くなくスッキリしている

 

ひんぱんに飲んでいたコーヒーも

自然と飲まなくなっていました

 

 

店主は仕事柄か肩こりや頭痛がひんぱんで

20年来ずっと偏頭痛の薬を手放せなかった

人ですが そういえば

最近まったく飲んでいないと言います

 

 

常に財布に常備していた偏頭痛の薬が

減っていない

 

あれ? なんだろうね?

ふたりで思い返しました

 

もしかして

この黒薬豆のお茶かもしれない

自分の体感と体調の変化が物語っていました

 

 

この豆を辿って農業改良普及センターの方に

話を伺っても年月が経ち過ぎて分からなくて

無心で黒薬豆のルーツを文献から調べました

 

それと並行にカフェイン過多がもたらす弊害

自分たちなりに調べ糸口を探し続けました

 

 

体調が良いので黒薬豆茶を

作っては飲み続けていたところ

 

ある日 

疲れ切った顔のお客さまが来店されたので

 

お節介で黒薬豆茶をお出ししたら

思いのほか大変喜んで下さいました。

 

 

 

 

美味しいと言われる顔が

本当にお元気になってきて

 

「このお茶売ってないの?」

といわれるようになりました

 

そのとき ハッと我が身を振り返ったのです

 

テイスティング以外でコーヒーをまったく

飲まなくなっていた自分がお客さまに

コーヒーを提供している違和感に

 

 

わたしたちは何を売っているのだろう

お客さまのために本当に良いと思うものだろうか

 

本当に美味しいと思うもの

本当に良いと思うものはなんだろう

  

漆黒の黒薬豆茶を飲んでいるときでした

「この豆でコーヒーができるかもしれない」

 

 

頭の中に「穀琲」という言葉すら

まだ浮かんでいないけれど

 

なんだか分からない衝動に

突き動かされていった始まりでした

 

 

そして

黒薬豆に出会って12年が経ちました

 

毎年 黒薬豆や玄米やもち麦を

育てて下さっている農家さんは

漆黒の1杯を支えて下さっています

 

 

穀琲 黒薬豆 穀ery

 

この3つの覚悟を思いの形として

わたしたちは商標登録の更新を続けています

 

 

商標の申請を弁理士さんに一任せず

書類を自らの手で作り上げたい

というわたしたちに

 

一般社団法人 兵庫県発明協会(INPIT)の

Tさんが親身になって一から申請を

教えて下さいました

 

 

通るのは難しいといわれていた名称が

商標として認められたとき

一緒に驚き合って喜んで下さいました

 

 

無断で穀琲の名称を使用されていたときも

どうしたらいいか分からないわたしたちに

対応の仕方や書面の作り方も教えて下さいました

 

 

  

 

ことあるごとにわたしたちのお店の穀琲を

今も気にかけて下さって

本当にありがたく思います

 

いろいろな方に支えられた背景が

今の穀琲なのです

 

 

商標登録を更新し続けている商品として

御縁のある穀ワリーパートナーの方にも

ご理解の上お付き合いいただければ幸いです

 

どうぞよろしくお願い申し上げます 

 

 

 

 

根っこや枝先に巡る養分のような。

金星と三日月と桜と

 

 

Kokufee  story を

お読みいただきまして

ありがとうございます

 

わたしたちの中で

ずっと流れて巡っている

養分を気持ちばかり

 

 

「努めて明るくいるのは、

大事なこと。そして、

なるようになると思うのも、

大事なことです。

忘れていいことは忘れていい。

明るく優しい気持ちで

お料理すれば

優しい味になるものだし、

優しいお料理を食べていれば、

なんとか元気に生きて

いけるんじゃないかしら」

 

日本料理研究家の鈴木登紀子さんの言葉より

 

 

 

和ンダーな一杯を

一緒に楽しみ合いましょう

お待ち申しております